歯のメンテナンスmaintenance
歯のメンテナンス maintenance
歯磨きだけでは口の中の健康を維持できません
毎日の歯磨きで、虫歯や歯周病を防ぐことができると思っていませんか?
全ての人が完全な歯磨きができるわけではなく、自分で行うブラッシングだけでは、虫歯や歯周病の原因となる歯垢や歯石をしっかり除去することはとても難しいのです。
また、虫歯や歯周病の発生には、口腔内の細菌の数や種類、唾液の量や質、歯の質や生え方、ブラッシングの仕方など、様々な要素が関係しているため、病気のリスクや原因は患者様によってそれぞれ違います。
歯磨きは口腔内の健康維持には必要不可欠ですが、歯科医院で行うご自身の病気のリスクに合ったプロによるメンテナンスを併せて行うことをお勧め致します。
歯のメンテナンスで全身の健康維持も
歯があることが当たり前となっており、健康な歯の価値に気づかない方も多いかもしれませんが、歯は失ってから大切さに気づくものです。いつまでも自分の歯で好きなものを食べ、不自由なく話すためには、健康な歯が必要なのです。
歯の健康に不安を感じている方や、ご自身でしっかり歯磨きができているか確認をされたい方、歯医者に苦手意識をお持ちの方で、歯科から足が遠のいてしまっているという方は、是非一度ご相談ください。
日本人はメンテナンスに対する意識が低い
アメリカやスウェーデンなどの諸国では、メンテナンス受診率が高く、お口に対する関心度が高いのに対し、日本では、歯が痛くならなければ歯科医院に行かない人が多く、不調が現れてもギリギリのところまで我慢をし、先延ばしする人も少なくありません。この違いの差が、2012年の厚生省国民健康白書統計にある、年齢80歳の残存歯数に現れています。80歳の歯の残存数
国名 | 残存歯数 |
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スウェーデン | 20本 |
アメリカ | 13本 |
日本 | 9.8本 |
当院のメンテナンスの体制・考え方 maintenance
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予防に対する考え方
歯医者は「治す」ところから「守る」場所へ
歯医者の利用の目的を根本から変えてもらうことが、私たちの使命だと思っております。
歯医者は、痛みがある時や詰め物がとれた時など、自覚症状に気付いてから受診する方が多いと思いますが、その場合、実はすでにかなり状態が進行していることが多く、治療費もその分大掛かりになります。
また、治療が終われば安心している方も多いかと思いますが、実は、治療した歯というのはその後のケアが万全でなければ再発のリスクが高まります。しかし、自分の歯であればデコボコはないので、細菌も溜まらないため上記のようなことは起きません。
歯は、生まれ持ったままの歯が一番強く長持ちし、天然の歯に優るものはありません。安易に治療をしてしまうと、再発のリスクが高まり、治療を繰り返すといった悪循環に陥ってしまいます。
天然歯の保存を一番に考え、歯科医院を『治す』場所から『守る』場所へと変えていったら、皆様のお口の健康は保たれます。皆様の将来のお口の健康を守るため、予防に関するアドバイス、クリーニングを致します。是非、歯のメンテナンスに積極的に取り組んでいただき、健康で快適な生活を過ごしていただく事を願っております。 -
細菌に着目した取り組み
悪さをする「原因菌」に直接アプローチするための「検査」
虫歯・歯周病の原因は歯垢や歯石になります。
一般的には、歯垢や歯石を物理的に除去する治療になりますが、物理的に除去できるのは目に見える部分だけとなります。表面的な菌は除去ができますが、目に見えない「菌」を完全に取り除くことはできません。しかし、虫歯や歯周病の原因は「細菌」ですので、目に見える歯垢や歯石の除去だけでは不十分です。そのため、目に見えない細菌に対しても対策を行なう必要があります。当院ではお口の細菌レベルをチェックする「唾液検査」を実施しています。
唾液検査を行うことで、患者様固有の虫歯や歯周病リスクの情報を得ることができ、その結果から歯を守るための、患者様一人一人のオリジナルの予防プログラムの作成、予防処置効果の検証などを行うことができます。虫歯リスクチェックに関しましては、WHO(世界保健機構)の疫学検査にも使われている、「デントカルト」という信頼度の高い唾液検査を利用しています。 -
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
本来の歯の白さを取り戻し、歯の健康を保つ
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略称で、歯科医院にて専用の器具を使って行う歯のクリーニングのことです。
虫歯や歯周病の原因となる、歯の表面についた歯垢や歯石は、ご自身で行う普段のブラッシングだけでは取りきることができません。
毎日のブラッシングでは取りきれない汚れを、定期的にPMTCを受けていただくことで除去することで、虫歯や歯周病を予防することができるのです。また、歯の黄ばみや口臭も一緒に改善されますので、治療後はお口の中がすっきり爽やかになります。
歯のライフサイクルと治療費を比較 maintenance
定期的に予防をしに行くことに対し、通院時間や費用もかかると感じ、足が遠のいてしまいがちな方も多いかと思います。しかし、下記をご覧いただくとその結果が一目瞭然です。
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痛い時だけ通院する方の歯のライフサイクル
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定期的に通院する方の歯のライフサイクル
定期的に通院した方が約300万円も治療コストの差があります。
また、歯科医師としてなによりも主張したい点は、「80歳になっても自分の歯でいられる」ことの素晴らしさです。
一般の方々は「歳をとれば、自然に歯が抜けてしまうものだ」とお考えの方がいると思いますが、事実は違います。若いころから歯科医院で定期的に予防処置を受けていれば、上記の図・統計にもあるように、多くの歯を残すことが可能となります。
歯を失うことの辛さは、実際に失った方でないと分りませんが、事実、生活の質が落ちてしまいます。快適な老後を送るためにも、早いうちから歯のありがたみを理解し、日々のブラッシング、定期的な予防処置を生活習慣の1つに組み込むことが非常に大切となります。